10月29日(土) 美波町のアオリイカ釣り

釣り日記後半に≪アオリイカ釣りについて≫の記述あり。


アオリ強化月間 第W弾。

太平洋に昇る朝日に大漁を祈願。


ブリ祭りも気になるが,消耗戦になるのは必至なので

とりあえずアオリをいけるところまで…


一人10杯 みんなで60杯を目指しましょう。



エサ屋のおっちゃん 今日は沖のイケスに


アジを仕入れて



まずは港の前から…



異常なし。  


今日は下り潮 北風なので,右舷ミヨシは あと流れ。


食いが悪い日のあと流れは辛く厳しい。


風は北から東 そして午後からは南になる予定なので 辛抱強くやっていくしかない。



ポイントを転々としながら ようやく最初の1杯。



沖なのに ミンチカツサイズ。




次の1杯が遠い。



サイズアップって それでもトンカツサイズ。


左舷や艫の方にはポツポツと良型がヒットしているというのに

今日のメンバーはアオリマスターズの方々なので

私のところまで回ってきそうにない。


ついには こんなサイズまで



水深60mで コロッケサイズが釣れるとは…

潮が悪く 活性が低い日の典型的なパターンだ。


それにしても自分の体と同じ大きさの魚を餌にしようと襲いかかるとは

この旺盛な食欲こそがアオリを一潮ごとに急成長させる原動力となっているのか。





朝のうちはそこそこ動いていた下り潮も徐々に緩んできたようで

昼頃には船中でもアタリがめっきり少なくなった。



昼までに船中20杯あまり

私はエギングで釣るようなチビアオリ3杯…



大島まわりの深場へ

水深は80m超



釣れそうな気配がまったくしない。




今日は沖でブリ狙っている船もないみたいで,

情報は皆無。



浮気は禁物 アオリ一本勝負でいくしかない。



前日は日が傾いた夕方に時合いがあったようなので,

今日はそれに期待するしかなさそうだ。


上潮は下っているようだが,底潮は動いていないようだ。

二枚潮でアタリが出にくく アワセが効きにくい。



日が傾き掛けた15:30

怪しい感触  即アワセでかっちりフッキング



何時間ぶりの感触。

胴長28cm もうすぐ1キロサイズ。


予報に反して風は一日中変わらず北より

夕方のゴールデンタイムも 右舷ミヨシはスーパーあと流れ。

気合いで釣るしかない。



これまでの分を取り戻すべく 反撃開始。



食いが立ってきたら サイズもよくなってくる。


食い逃げもあってが,一流しごとに乗ってくる。



この1杯で 何とか最低ノルマの10杯をクリア。


ここでも こんな小さいコロッケサイズが。



17:30

最後の流しでタッチーが食ってきたところで 終了。



長い一日が終わった。



あたりはすでに真っ暗に。


6人で 12杯 12杯 11杯 10杯 6杯 6杯 の57杯

ほぼ予定通りの60杯。

潮がよくなかったせいか,良型は少なく中小型が多かった。



食いの渋い中 一日中あと流れの辛い状況だったが

夕マヅメの時合いを逃さず 何とか帳尻合わせ。


厳しい状況下でも あきらめなければアオリは応えてくれる。



本日の釣果 アオリイカ 胴長〜28cm 12杯 



アオリイカの仕掛けや釣り方がよく分からないので教えてほしい ということで

日和佐沖で使用している アオリイカ仕掛け・釣り方について


結論から言えば

1 アオリに見切られない 仕掛け

2 
アジを抱いたことを察知する 聞きアワセ

3 
ストロークの長い 本アワセ

この三点ができれば釣れたも同然?

一つでも外せばアオリと出会う確率は格段に低下。


<仕掛け>



船からアジをエサにしたアオリ釣りは

アジに掛け針(ロデオグライダーなど)を背負わせて胴突き仕掛けで狙う釣り方と

枝が極端に短い遊動式の仕掛けで狙う釣り方がある。


アオリも魚も釣りたいという方には前者の胴突き仕掛けがおすすめだが,

日和佐沖は海底に硬いケイソウや海藻,サンゴが生えているポイントが多く

アジに掛け針を背負わせる方法では 根掛かりが多発してしまう。

また 流れも緩いので掛け針がラインに絡みやすい。


その点 上記の
遊動式仕掛けではトラブルが少なく,

アオリがアジを抱いた瞬間に合わせを入れるので勝負が速い。



仕掛け作りは 回転ビーズとアジを掛ける針から




          道糸(ラインは直結)
           ↓
           ↓
          リーダー(なくてもよい)
           ↓
           ↓
          ハリス(基本3号)
           ↓
           ↓
           ↓
           ↓
          八の字結び
           ↓
           ↓
       (遊動)↓回転ビーズ(ハリス6号1cm)
           ↓
           ↓
          八の字結び
           ↓
           ↓ (この間
約15cm
           ↓
          掛け針
           ↓
           ↓
          捨て糸(約50cm)
           ↓
           ↓
          スナップサルカン
           ↓
          オモリ




掛け針は大きすぎないもの,カエシはあってもなくてもよいが

カエシのない分 掛かりはよくなるが,バラシも多くなる。


仕掛けは一日で5〜6セット

魚の攻撃を受ければさらに多く必要になる。

2,3時間使った仕掛けは フロロの透明度も落ちて食いが悪くなるので 交換する。

1個ずつダンボールなどに巻いて 100均のチャック付き袋にいれるとよい。




<釣り方>

〜仕掛け投入まで〜


エサの
アジは鮮度が命なので,丁寧に扱う。

バケツに入れすぎないようにする。

網でそっと掬って,針を鼻掛けにする。



鼻の穴に刺すと抜けやすいので,少し奥の硬いところに刺す。

アジを持つ左手には手袋をして直接アジにふれないようにする。

また,アジの尻ビレのとげから手を守る意味でも
手袋をはく。


〜底とり・聞きアワセ〜

胴突き仕掛けと違って,仕掛けを一気に落としてもかまわない。

底に着いたら 素早くリールのハンドルを4回ほど巻いて2〜2.5mほど底を切る。

 
 この瞬間にアオリがアジに抱きつくことが多いので気を抜かないように。

アオリ釣りでは アタリが出る前(アオリが竿先を引っ張る前)にアワセを入れないと掛からない。


アタリの出る前にアワセるとは どういうことなのか?

   アジを抱いてホバリング状態のアオリは アジの後頭部に噛みつき致命傷を与えたのち

   安心してアジを食べられる場所まで移動しようとする。
  
   アジに違和感を感じた場合も同様でアジを抱いたまま泳ぎ始める。

   それが竿先に現れる グィーン グィーンというアタリである。

   アオリが水平方向に力強く泳いでいる時に

   垂直方向のアワセをいくら力一杯入れてもまず掛からない。

   つまり
竿先にアタリが出た時点で勝負アリ  釣り人の負け

   アタリがあるのにアオリが釣れないのはなぜ?と思われている方

   これまでの釣りの概念を捨てましょう。


では どのタイミングでアワセるのか?

 そこで必要不可欠なのが
聞きアワセ

アオリが釣れるかどうかは この
聞きアワセ
ができるかどうかにかかっている

といっても過言ではない。

斜め45°に竿先を構えておき
20〜30秒に1回



そっと竿先を水平方向まで
50cmほど持ち上げる。

アオリがアジを抱いていれば 竿先を持ち上げている途中で

底を2m以上切っているはずなのに

カツッ!と根掛かりのような感触で竿先が止まる



ここで慌ててビシッと即アワセをしてもダメ。

竿の振れ幅が少ないため 掛からない。


〜本アワセ〜

この感触があれば,本アワセの体勢に入る。



ハンドルを2回巻きながら(約1m)竿先を水面まで下げる。(約1m)

海底のアオリに違和感を与えずに竿先を海面まで下げたら

右手でバット部分を持ち 竿先が真上にくるようなストロークの長い本アワセを入れる。



(画像では撮影のため左手のみですが,右手はバット部分へ 両手でのアワセが必要。)

ビシッと素早く竿を振り上げるのではなく

慌てなくていいので 竿先が海面から頭上にくるまで

グニュ〜というできるだけ幅(ストローク)の大きいアワセが必要。

イメージ的にはスピード感のあるアワセではなくトルクのあるアワセといった感じ。

いろいろなジャンルのある釣りの中でこのような合わせ方をする釣りは他にないので

慣れるまでは何度も練習しておくことを勧める。


この仕掛けでアオリを釣っていて巻き取り途中でバレたり 水面でバラしたりしている方は

見ているとアワセが甘く フッキングに至っていない場合がほとんど。

アオリがアジを抱きしめる力は相当強く,

アワセの幅が小さいとフッキングしないまま巻き揚げていていることになる。

また 太平洋で多い二枚潮の場合 道糸のラインは海中で くの字やSの字になっていることが多く

しっかりアワセをいれたつもりでもラインのたるみに吸収されてしまう。

そういった意味でも ビシッという強いアワセではなく

とにかくストロークの長いアワセがこの釣りの必須条件になってくる。


アオリが掛かれば あとはテンションを抜かずに巻き取るだけ。


電動リールを使用するのであれば,船べりストップ機能を

ちょうど掬いやすいところに設定しておくことも大切。


基本タモ入れは各自で行うので,掬いにいくのではなく

アオリの頭側にタモを持って行き

アオリが自分から入っていくようにラインをゆるめてやればいい。


タモの中でアオリの口が外に向くようにして少し水面で揺らすとスミをはくので

船やデッキを汚すことなく取り込める。


<その他に気をつけておけばいいこと>

この釣りではリールの
ドラグはガチガチに締めておく。

エギングのようにドラグが滑るようではアワセが効かないため。


魚が掛かることもあるが,あくまでもアオリに特化した仕掛けなので 魚は狙いにいかないこと。

もし
魚系のアタリがあれば,即ドラグをゆるゆるに緩める。

60cm級までの魚であればドラグを効かせれば たいてい獲れる。

アオリより魚が欲しいのであれば,胴突き一本針仕掛けにすべし。


アオリは底に居るものと考えがちだが,仕掛けは
常に底から2〜3mは離すこと。

根魚を狙おうと仕掛けを底に付けるとアオリのアタリは極端にへる。

目のいいアオリでも底周辺でアジを泳がしているようでは見つけられない。

底から離せば離すほど遠くにいるアオリにもアピールできるというものである。


アオリのアタリは
仕掛けを落とした直後が最も多い。

着底地点の2〜3mに居るアオリは 即飛びついてくる。

最初に底を切っている途中で根掛かりのように重くなったら 即アワセ。


着底地点の5〜6mに居るアオリはアジが落ちてきてきたのを見つけると

忍者のように忍び寄り そしてアジに抱きつく。


着底後 30秒ほどが最も気の抜けない時間帯である。


潮が流れていたり活性が高いときは

聞き合わせをする前に竿先にクッとテンションがかかる場合がある。

こんな時も 即アワセ。

潮が止まっていても波風がなければ アオリがアジを抱いた瞬間に

わずかなラインテンションの変化が起こる。

ふっと軽くなったり クッと入ったり…

竿先の変化を逃さない集中力が必要。


それでもいきなりアジを引っ張るアタリが出たらどうするか?

反射的に合わせるとまず掛からない。

そんなときはクラッチを切ってアオリの引きに合わせてどんどん竿先を送ってやり

動きが止まったところで一呼吸置いてから本アワセ。


食い上げアタリに対しては逆にラインのたるみをとるべくどんどん巻いていき

食い上げが止まった時点で一呼吸置いてから本アワセ。

どちらも1〜2割の確率だが この方法で掛かることがある。




この仕掛けは
潮の速い瀬戸内や鳴門エリアでも十分に使え 実績も十分。

1.5ノットほどの速い潮でもバンバン当たってくる。

トラブルの少ない仕掛けで 勝負が速いのが特徴。

しかし前述したように魚を狙う仕掛けではないので,

魚系のヒットが多いエリアではおすすめできない。

ロデオグライダーなどを背負わす仕掛けは

以前はアオリのグイーングイーンというアタリを3回4回と送り込んでから合わせる釣り方であったが,

今では遊動仕掛け同様 アタリが出る前の聞き合わせができるかどうかで

キャッチ率が大きく変わってくる。



アオリは他のターゲットとは異なり

成長して大きくなればなるほど
仕掛けは細く 掛け針は小さくしないと

学習能力の高い大物には見切られてしまう。

11月の半ばからはキロアップが

年が明けると2キロアップが狙えるが

成長とともに釣りにくくなっていく。


大きく賢くなっていくアオリと釣り人との知恵比べが

この釣り最大の魅力である。


釣ってよし 食べてよし のアオリイカ

みなさんも チャレンジしてみてはいかがでしょう。